09月04日 18時01分
世界各国の博物館の関係者が一堂に集まるICOM=国際博物館会議の京都大会は4日目の4日、漫画展をテーマに専門家たちによるパネルディスカッションが行われ、漫画の「原画」をどのように展示していくのかについて意見が交わされました。
パネルディスカッションでは、はじめに、ロンドンの大英博物館で大規模な漫画展を企画したニコル・ルーマニエールさんが「大英博物館で漫画展を開催することには当初、批判もあったが、これまで博物館に来なかった若い世代が多く訪れて大成功に終わった」と報告しました。
続いて、漫画の原画を展示することの意義について話し合われました。
このなかでニコルさんは、「原画やスケッチ、キャラクターやセリフなどをおおまかに描いたネームを展示することによって、制作過程も含めて展示することができる」と意義を強調しました。
また、パソコンなどで漫画を描いたり読んだりする「Webトゥーン」と呼ばれる文化が盛んな韓国の漫画美術館の学芸員は、絵が描き上がる過程の画面を動画で記録して展示する、デジタルならではの工夫を紹介しました。
展示の際、原画をどう集めるのかについても意見が交わされ、ニコルさんは、日本では原画が漫画家の押し入れなどにしまわれありかが分からなくなっていることが多いため、博物館が原画を収集しやすい環境を整えてほしいと指摘していました。